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粧品の容器について

市場に多種多様な製品があふれる中で、多くのお客様に自社製品を手に取っていただくためには他社製品との差別化をすることが重要です。その1つの方法として容器での視覚的アピールがありますが、その他にも化粧品の容器の役割があるのをご存じでしょうか?

ここでは化粧品の製造委託先が決まり自社ブランドの化粧品の処方決定と同時に進めていかなくてはならない重要な「化粧品容器」について、たくさんある容器の中から代表的なものを一部抜粋しながら詳しく解説していきます。

粧品容器の役割

化粧品の容器は内容物を入れる役割だけではなく、製品を使い切るまで中身の化粧品を保護したり、製品のコンセプトを表現したりするなど重要な役割を持っています。ここではその2つの役割について詳しく解説します。

化粧品の中身の保護

化粧品の中身は主に水溶性成分、油溶性成分、界面活性剤(水と油を混ぜる乳化剤、汚れを落とす洗浄剤)の3つの成分から構成されています。その成分の中には光や熱などによって劣化しやすいものもあるため、温度や光などの環境の変化による劣化(分離、変臭、変色など)が生じないか、また輸送による振動や落下などからしっかり中身を保護できるかなどが重要な役割になります。

製品コンセプトの表現

消費者は新たに製品を購入する際、製品の内容を理解・納得して初めて購買意欲がわくものです。そのため化粧品の容器はデザイン、形状、色、材質などによって製品のコンセプトを理解してもらうためにとても重要で、製品の魅力を最大限に引き立たせる役割も担っています。

粧品容器の選び方のポイント

化粧品の容器には様々なタイプがあり、これから自社製品を作るとき化粧品の容器をどう選べばいいのか?迷うこともあるかもしれません。ここでは化粧品容器の選び方について詳しく解説します。

デザイン性

化粧品の売り場には多種多様なタイプの容器が並んでいます。その中で例えばアンチエイジング向けでリッチな成分を高配合した製品であれば、スタイリッシュな形状で手に取った時に重みがあり高級感をイメージできる容器デザインにしたり、ボタニカルイメージの製品であればナチュラルでシンプルな優しい雰囲気をイメージできる容器デザインにしたりすることで、消費者に製品コンセプトのアピールをし興味を持たせるきっかけになります。

使いやすさ

毎日使う化粧品は使いやすさも重要です。例えば、収納スペースで倒れにくい容器、容器の形状が手になじむもの、ワンタッチで簡単に開閉できるもの、容器を持たなくてもポンプをプッシュすることで簡単に中身が出せるもの、中身を正常に出すことができ最後まで快適に使いきれるものなどが例としてあげられます。

内容量

化粧品の容器は目的の容量が入るものを選ぶ必要があります。内容量を決める目安としては、例えば1回に使用する容量×使用回数で計算するのもいいでしょう。開封後は劣化を防ぐため、1ヶ月~3ヶ月程で使い切れるように設定する場合も多く、例えばクレンジングは約150mL~200mL程度、シャンプーやコンディショナーは300g~500g程度がよく設定される内容量です。

生産ロット

化粧品容器には、印刷や着色、ラベル貼りが可能です。生産するロット数によっては、ラベル対応のみ可能になりますので、製品化が決まる前に事前に容器メーカーまたは製造を委託する化粧品OEMメーカーに事前に確認してください。

価格

容器の価格は販売価格と粗利益目標から逆算して原価目標を設定し、その目標原価の範囲内から選びます。素材だけでなく印刷にするのか、ラベル貼りにするのか、何色印刷にするか、容器に着色はするか、などによって価格は変わってきます。

リードタイム

化粧品の容器は、ものによっては3ヶ月以上かかることもあるため、製品の発売日が決まっている場合は特に注意しなくてはいけません。製品化が決まる前に事前に容器メーカーまたは製造を委託する化粧品OEMメーカーに確認してください。

耐薬性

化粧品の容器は形状・加飾も表現が様々ですが中身との相性もとても重要な部分です。中身や使用条件等により変形などの経時変化を起こす場合があるので、十分に検討する必要があります。製造を委託する化粧品OEMメーカーに事前に確認してください。

強度・気密性

化粧品の容器の素材は主にガラスと樹脂があります。樹脂はガラスよりも落下に対する強度が強いという特徴がありますが形状や厚みなどによって強度レベルが異なってきます。また配送時の振動などにより傷などがつきやすいものではないかなども注意が必要です。化粧品の容器の役割の1つである「化粧品の中身の保護」に関係する気密性も化粧品の容器を選ぶ際に注意が必要です。

粧品容器に使われる主な素材と特徴

化粧品の容器の代表的な素材はガラスと樹脂です。ここでは、それぞれの特徴を解説します。

ガラスの特徴

頑丈さと透明感と厚みが特徴です。医薬品や工業製品で使用される強い薬品等は容器を変形させる恐れがあるためガラス容器が使われることが多いです。樹脂よりも価格は高くなる場合が多く、そのぶん、高級感を表現できます。

樹脂の特徴

ガラスに比べて割れにくく、軽く使いやすい上に比較的安価です。樹脂にもさまざまな種類の材質やフォルム、サイズ、デザインがあるので、商品コンセプトに合った容器を見つけやすいかと思います。最近は、環境に配慮した植物由来樹脂やリサイクル樹脂を原材料にした容器も増えてきています。

●主な材質の特徴

① PET(ポリエチレンテレフタレート)
ペットボトルの材料や食品の容器に広く使われており透明感があり耐薬性・耐油性が優れています。

② PE(ポリエチレン)
スーパーのレジ袋や食品を保存するフィルムラップの材料として使われており、柔らかく加工しやすい特徴があり耐薬性に優れています。樹脂の中でも比較的安価です。化粧品容器の中栓やパッキンなどにもよく使われます。

③ PP(ポリプロピレン)
食品容器の本体、衣装ケースの本体などの材料として使われており丈夫で傷がつきにくいため強度・耐薬性・耐熱性に優れています。化粧品の容器のキャップやジャー容器などにもよく使われる材質です。

脂容器の加飾方法

樹脂容器の加飾方法は様々な種類があり、色や質感などの組み合わせで無限の表現が可能となります。
ここでは様々な加飾方法をご紹介します。

練り込み着色

成形時の樹脂原料に色を練り込みます。パール剤などを練り込むこともできます。

塗装

成形物に塗料を塗布させ色付けする方法で、透明、半透明、不透明、パール入り、マット調など様々な色を塗装することができます。パール塗装は練り込み着色よりも均一にキレイに仕上がります。

蒸着

真空窯で蒸発させたアルミニウムを成形物の表面に付着させてメタリック感を出します。ホットスタンプが使えない曲面や凹凸のある形状にもキレイに付着し容器に高級感を出します。また、アルミ層の上に塗装することで様々なメタリックカラー(例:ピンクゴールドなど)も表現ができます。

シルク印刷

版材に細かい布目の布を使用した印刷方法です。版に網目状の細かくあいた穴を通して直接インクを刷り込みます。化粧品の容器では一般的によく使われる印刷方法です。

ホットスタンプ(箔押し)

インクを使用せずにフィルムに付着させた箔(メタリック・顔料・ホログラムなど)を、熱と版の圧力によって転写します。紙や樹脂容器などさまざまな素材への転写が可能です。

々な容器の形状

化粧品の容器は、化粧品の中身の粘度などによっても選べる容器が異なります。ここでは、様々な容器の形状の中から代表的なものを例にあげて解説します。

ボトル

ボトル

クレンジングや化粧水、乳液、美容液など、粘度の低い液状の化粧品の容器として使用されます。ボトルに取り付ける付属品には下記のように、さまざまなタイプがあります。
 
【例】
*中栓+キャップタイプ:化粧水、乳液、美容液、など
*ミストポンプタイプ:フェイスミスト、ボディミスト、ヘアミストなど
*ドロップポンプタイプ:美容液、乳液、ヘアミルク、シャンプー、コンディショナーなど
*フォーマーポンプタイプ:泡ハンドソープ、泡ボディソープ、泡洗顔など
*トリガーポンプタイプ:ボディミスト、ヘアミストなど
*トンガリ中栓+キャップタイプ:ヘアトニックなど

チューブ

チューブ

洗顔クリームやハンドクリーム、フェイスクリーム、ボディクリーム、ヘアトリートメントなど、粘度の高いクリームやジェル、ペースト状の化粧品の容器として使用されます。ジャー容器よりも、比較的コストも安いです。

ジャー

ジャー

ハンドクリームやフェイスクリーム、ボディクリーム、ヘアトリートメントなど、粘度の高いクリームやジェル、ペースト状の化粧品の容器として使用されます。チューブ容器と比較して、コスト高になります。

エアレス

エアレス

粘度のある美容液などに使用されています。ポンプを押下し中身が出ると減圧になり底の部分が上に上がってくる仕組みの容器で、密閉性に優れた容器です。

メール便対応容器

メール便対応

通販事業には輸送コストも重要な課題です。メール便対応サイズの容器は、コスト削減に大いに活躍します。

エコパウチ

エコパウチ

省資源化、省ゴミ化の点から地球にやさしい資材として活用されており、ヘアケア、ボディケア製品の詰め替え用や高粘度パックなどに使用されます。

スポイト容器

スポイト容器

化粧品を一滴ずつ滴下するために作られた容器です。スポイトを栓の変わりに容器の口にあてはめているのが特徴で美容液、ヘアオイル、アロマオイルなどに使用されます。