医薬部外品・化粧品の業許可の取得(事前準備)
業者コードの取得
初めて化粧品・医薬部外品の許可を申請する人はまず業者コードを取得しなければなりません。
申請用紙:各都道府県の薬務課又は薬務課ホームページ等
提出先:各都道府県薬務課
FD申請ソフト
医薬部外品や化粧品は現在ほとんどの都道府県で電子申請となっているため、申請の様式の入ったソフトが必要となります。
入手先:厚生労働省医薬食品局審査管理課
インターネットで「FD申請」等で検索すれば入手可能
製造販売業許可の取得
申請者の人的要件
代表として申請者(法人の場合は業務を行う役員)が申請を行うこととなるが、申請者には一定の欠格事由があります。
以下に該当する者を申請者として、許可を取得しようとした場合は許可が与えられないことがあります。
薬事法第5条3号イ~ホより
イ) 第75条第1項の規定により許可を取り消され、取消しの日から3年を経過していない者
ロ) 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった後、3年を経過していない者
ハ) イ及びロに該当する者を除くほか、この法律、麻薬及び向精神薬取締法 、毒物及び劇物取締法 (昭和25年法律第303号)その他薬事に関する法令又はこれに基づく処分に違反し、その違反行為があった日から2年を経過していない者
ニ) 成年被後見人又は麻薬、大麻、あへん若しくは覚せい剤の中毒者
ホ) 心身の障害により薬局開設者の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
総括製造販売責任者 (総責)
製造販売業者は品質管理や製造販売後安全管理を適切に行わせるために知識や経験といった基準に合致した「総括製造販売責任者」を設置しなければなりません。
これは医薬部外品と化粧品で要求事項が違い、医薬品部外品の方が知識や経験が求められます。
総括製造販売責任者の人的要件
薬事法施行規則85条1項 (医薬部外品)
医薬部外品の品質管理及び製造販売後安全管理を行う者に係る法第17条第1項に規定する厚生労働省令で定める基準は、次の各号のいずれかに該当する者であることとする。
1. 薬剤師
2. 旧大学令 (大正7年勅令第388号)に基づく大学、旧専門学校令 (明治36年勅令第61号)に基づく専門学校又は学校教育法 (昭和22年法律第26号)に基づく大学若しくは高等専門学校(以下「大学等」という。)で、薬学又は化学に関する専門の課程を修了した者
3. 旧中等学校令(昭和18年勅令第36号 )に基づく中等学校(以下「旧制中学」という。)若しくは学校教育法 に基づく高等学校(以下「高校」という。)又はこれと同等以上の学校で、薬学又は化学に関する専門の課程を修了した後、医薬品又は医薬部外品の品質管理又は製造販売後安全管理に関する業務に3年以上従事した者
4. 厚生労働大臣が前3号に掲げる者と同等以上の知識経験を有すると認めた者
薬事法施行規則85条2項 (化粧品)
化粧品の品質管理及び製造販売後安全管理を行う者に係る法第17条第1項に規定する厚生労働省令で定める基準は、次の各号のいずれかに該当する者であることとする。
1 薬剤師
2 旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で、薬学又は化学に関する専門の課程を修了した者
3 旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で、薬学又は化学に関する科目を修得した後、医薬品、医薬部外品又は化粧品の品質管理又は製造販売後安全管理に関する業務に3年以上従事した者
4 厚生労働大臣が前3号に掲げる者と同等以上の知識経験を有すると認めた者
大きな違いは3号の部分で
医薬部外品では「薬学又は化学に関する専門の課程を修了」となっていますこれは一般的に薬学科や化学科の卒業を示していて普通科は基本的に含まれていません。
科目も一般教科の化学は含めず専門教科の化学を見ています。
化粧品では「薬学又は化学に関する科目を修得」となっているので薬学や化学に関する科目を認定されていれば良いことになります。
品質管理責任者(品責) 及び安全管理責任者(安責)
製造販売業者は製品の品質に関する情報を適切に処理・判断する能力を持った「品質保証責任者」と製品の安全性に関する情報を適切に処理・判断する能力を持った「安全管理責任者」を設置しなければなりません。
品質保証責任者(品責) 及び安全管理責任者(安責)の人的要件
品質保証責任者
1. 品質管理業務を適正かつ円滑に遂行しうる能力を有する者であること。
2. 医薬品等の販売に係る部門に属する者でないことその他品質管理業務の適正かつ円滑な遂行に支障を及ぼすおそれがない者であること。
安全管理責任者
1. 安全確保業務を適性かつ円滑に遂行しうる能力を有する者であること。
2. 医薬品等の販売に係る部門に属する者でないことその他安全確保業務の適正かつ円滑な遂行に支障を及ぼすおそれがない者であること。
GVP、GQPについて
薬事法12条の2には以下に掲げるときは製造販売業の許可を与えないことが出来るとあります。
製造販売業許可の申請時には予め手順書や実施計画書が必要になります。
1. 申請に係る医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器の品質管理の方法が、厚生労働省令で定める基準に適合しないとき。
2. 申請に係る医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器の製造販売後安全管理(品質、有効性及び安全性に関する事項その他適正な使用のために必要な情報の収集、検討及びその結果に基づく必要な措置 をいう。以下同じ。)の方法が、厚生労働省令で定める基準に適合しないとき。
3. 申請者が、第五条第三号イからホまでのいずれかに該当するとき。
GQP (good quality practice)
日本語では「製造販売品質管理基準」といいます
上記の一「厚生労働省令で定める品質管理の方法の基準(厚生労働省令136号)」がこれに該当します。
GVP (good vigilance practice)
日本語では「製造販売後安全管理基準」といいます
上記の二「厚生労働省令で定める製造販売後安全管理の方法の基準(厚生労働省令135号)」がこれに該当します。
必要書類
1. 経過表
申請者の連絡先等を記したもの
各都道府県薬務課 又は 薬務課ホームページに書式があります
2. 製造販売業許可申請書
FD申請ソフト内にある書式を利用
申請書を印刷した物
記入の仕方は各都道府県薬務課ホームページ等を参照
提出用と自身の保存用に2部用意するのが好ましい
3. 発効日6ヶ月以内の登記簿謄本(法人)
4. 申請者、業務を行う役員の医師の診断書(3ヶ月以内のもの)
各都道府県薬務課 又は 薬務課ホームページ書式があります5. 業務を行う役員の確定図(法人)
6. 総括製造販売責任者の雇用契約書写し又は使用関係証明
申請者本人や代表取締役が総括製造販売責任者を行うときは不要
7. 総括製造販売責任者の資格を証する書類
総括製造販売責任者の人的要件の確認に必要
基本的には卒業証明書等で証明する
薬剤師免許の場合は原本確認が必要
8. 品質管理及び製造販売後安全管理に係る体制に関する書類
GVP、GQPについて事前に作成した手順書や計画書
9. 2の内容を出力したフロッピーディスク又はCD-R
USB等での提出は不可となっている10. 業者コード登録票
事前準備で用意した登録票
提出先
各都道府県薬務課 又は 保健所
市町村によって提出先が異なるので、各都道府県薬務課 又は薬務課ホームページに確認してください
手数料
各都道府県によって金額が異なるので要確認
医薬部外品製造販売業(GMP非適用)…5~6万程度
化粧品製造販売業…5~6万程度
期間
各都道府県によって異なるが、書類に不備等が無ければ60日程度
製造業許可の取得
事前準備
製造業の許可の場合、ほとんどは製造販売業と同じですが一部異なる点があります。 製造販売業は、製品の品質や安全性を確保するための情報の管理であるため、莫大な資金や設備等は必要なく、知識・経験があれば事務所程度で開設はできますが、製造業は化粧品等を作るための設備や機器が必要になることです。 工場設計中でも申請は出来ますが、工場の構造や設備情報が必要になるので大抵は完成後もしくは完成近くに申請を行うことになります。
責任技術者
製造販売業では許可を取得するために「総括製造販売責任者」「品質保証責任者」「安全管理責任者」の3人を設置しなければなりませんが、製造業では「責任技術者」の設置が必要となります。
責任技術者の人的要件
製造販売業では許可を取得するために「総括製造販売責任者」「品質保証責任者」「安全管理責任者」の3人を設置しなければなりませんが、製造業では「責任技術者」の設置が必要となります。
薬事法施行規則91条1項 (医薬部外品)
法第17条第5項に規定する医薬部外品の製造所の責任技術者は、次の各号のいずれかに該当する者でなければならない。ただし、令第20条第2項の規定により厚生労働大臣が指定する医薬部外品を製造する製造所にあっては、薬剤師でなければならない。
1. 薬剤師
2. 大学等で、薬学又は化学に関する専門の課程を修了した者
3. 旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で、薬学又は化学に関する専門の課程を修了した後、医薬品又は医薬部外品の製造に関する業務に3年以上従事した者
4. 厚生労働大臣が前3号に掲げる者と同等以上の知識経験を有すると認めた者
薬事法施行規則91条2項 (化粧品)
法第17条第5項 に規定する化粧品の製造所の責任技術者は、次の各号のいずれかに該当する者でなければならない。
1. 薬剤師
2. 旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で、薬学又は化学に関する専門の課程を修了した者
3. 旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で、薬学又は化学に関する科目を修得した後、医薬品又は化粧品の製造に関する業務に3年以上従事した者
4. 厚生労働大臣が前3号に掲げる者と同等以上の知識経験を有すると認めた者
ここでも製造販売業の総括製造責任者の人的要件と似た表現になっています。
GMPについて
製造販売業では製造販売する上で「GQP:品質に関する基準」「GVP:安全に関する基準」がありました。 同じく製造業では「GMP(good manufacturing practice):製造管理及び品質管理の基準」というものがあります。 これは製品を作る際に主に3つの要件を満たすための基準で
1. 人為的な誤りを最小限にすること
2. 医薬品に対する汚染及び品質低下を防止すること
3. 高度な品質を保証するシステムを設計する
事が目的となっております。
医薬品や一部の医薬部外品ではこれらを事前に計画することが申請の際に必要となりますが、化粧品では必ずしもGMP基準に達する必要はありませんが、製造や品質の管理はしなければならないと定められているため、日本化粧品工業連合会が化粧品業界向けに自主基準として定めた「化粧品GMP:化粧品の製造管理及び品質管理に関する技術指針」の基準を満たす事が望ましい。
構造設備について
製造業は製造のための設備や機器が必要になるため、必要な設備や機器を所持・維持している事を申請しなければなりません。
薬事法13条第4項第1号
その製造所の構造設備が、厚生労働省令で定める基準に適合しないとき。
ここで言う「厚生労働省令で定める基準」は薬局等構造設備規則(厚生省令第2号)に定められています。
薬局等構造設備規則第12条 (医薬部外品)
1. 当該製造所の製品を製造するのに必要な設備及び器具を備えていること。
2. 作業所は、次に定めるところに適合するものであること。
イ) 照明及び換気が適切であり、かつ、清潔であること。
ロ) 常時居住する場所及び不潔な場所から明確に区別されていること。
ハ) 作業を行うのに支障のない面積を有すること。
ニ) 防じん、防虫及び防そのための設備を有すること。
ホ) 床は、板張り、コンクリート又はこれらに準ずるものであること。
ヘ) 廃水及び廃棄物の処理に要する設備又は器具を備えていること。
ト) 作業員の消毒のための設備を有すること。
チ) 製造品目により有毒ガスを発生する場合には、その処理に要する設備を有すること。
3. 作業所のうち、原料の秤量作業、医薬品の調製作業、充てん作業又は閉そく作業を行う作業室は、次に定めるところに適合するものであること。
イ) 作業室内に備える作業台は、作業を円滑かつ適切に行うのに支障のないものであること。
ロ) 作業員以外の者の通路とならないように造られていること。ただし、当該作業室の作業員以外の者による医薬品への汚染のおそれがない場合は、この限りでない。
ハ) 出入口及び窓は、閉鎖することができるものであること。
ニ) 天井は、板張り、コンクリート又はこれらに準ずるものであり、かつ、ごみの落ちるおそれのないように張られていること。
ホ) 床は、表面がなめらかですき間のないコンクリート、タイル、モルタル、板張り又はこれらのものと同じ程度に汚れを取ることができるものであること。
ヘ) 室内のパイプ、ダクト等の設備は、その表面にごみがたまらないような構造のものであること。ただし、清掃が容易である場合は、この限りでない。
4. 原料、資材及び製品を衛生的かつ安全に貯蔵するために必要な設備を有すること。
5. 製品等及び資材の試験検査に必要な設備及び器具を備えていること。ただし、当該製造業者等の他の試験検査設備又は他の試験検査機関を利用して自己の責任において当該試験検査を行う場合であつて、支障がないと認められるときは、この限りでない。
薬局等構造設備規則第13条 (化粧品)
1. 当該製造所の製品を製造するのに必要な設備及び器具を備えていること。
2. 作業所は、次に定めるところに適合するものであること。
イ) 換気が適切であり、かつ、清潔であること。
ロ) 常時居住する場所及び不潔な場所から明確に区別されていること。
ハ) 作業を行うのに支障のない面積を有すること。
ニ) 防じん、防虫及び防そのための構造又は設備を有すること。
ホ) 床は、板張り、コンクリート又はこれらに準ずるものであること。
ヘ) 廃水及び廃棄物の処理に要する設備又は器具を備えていること。
3. 製品、原料及び資材を衛生的に、かつ、安全に貯蔵するために必要な設備を有すること。
4. 製品等及び資材の試験検査に必要な設備及び器具を備えていること。ただし、当該製造業者等の他の試験検査設備又は他の試験検査機関を利用して自己の責任において当該試験検査を行う場合であって、支障がないと認められるときは、この限りでない。
必要書類
1. 経過表
申請者の連絡先等を記したもの 各都道府県薬務課 又は 薬務課ホームページに書式があります
2. 製造業許可申請書
>FD申請ソフト内にある書式を利用
申請書を印刷した物
記入の仕方は各都道府県薬務課ホームページ等を参照
提出用と自身の保存用に2部用意するのが好ましい
3. 発効日6ヶ月以内の登記簿謄本(法人)
4. 申請者、業務を行う役員の医師の診断書(3ヶ月以内のもの)
申請者の人的要件(中毒者でない、心身が安定している)を証明するために必要
各都道府県薬務課 又は 薬務課ホームページ書式があります
5. 業務を行う役員の確定図(法人)
6. 責任技術者の雇用契約書写し又は使用関係証明
申請者本人や代表取締役が責任技術者を行うときは不要
7. 責任技術者の資格を証する書類
責任技術者の人的要件の確認に必要
基本的には卒業証明書等で証明する
薬剤師免許の場合は原本確認が必要
8. 構造設備の概要一覧(製造設備器具及び試験検査設備器具一覧)
製造に必要な機器がそろっているか確認のために必要
9. 付近の見取り図、平面図及び建物の配置図
製造に適した構造であるか確認のために必要
10. 2.の内容を出力したフロッピーディスク又はCD-R
基本的に申請はフロッピーディスク又はCD-Rを使用
USB等での提出は不可となっている
11. 業者コード登録票
提出先
各都道府県薬務課 又は 保健所
市町村によって提出先が異なるので、各都道府県薬務課 又は薬務課ホームページに確認してください
手数料
各都道府県によって金額が異なるので要確認
医薬部外品製造業(GMP非適用)…4~5万程度
化粧品製造販売業…4~5万程度
期間
各都道府県によって異なるが、書類に不備等が無ければ60日程度