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粧品開発のためのモニターテスト

化粧品開発のプロセスで処方決定(中身の決定)に至るポイントは、会社によって様々です。
開発案件を任されている責任者、時には会社のトップが個人の判断で決定する場合もあるでしょうし、ターゲットとなる属性のモニターの意見を反映して開発会議にかけられ経営会議などで決定される場合もあるでしょう。
ここでは、後者などの場合に必要になる化粧品のモニターテストについて解説していきます。

ニターテストの目的を明確にすること

試作品サンプルができあがり、さあモニターテストを実施、となるわけですが、モニターテストの目的はまとまっていますか?
どのようなユーザーに、どのような価値を感じてもらいたいかがまとまっていないと、いざテストをしても結果を受けて判断することが難しくなります。
例えば、「バラの香りのシャンプー」の試作品ができたとして、30人の人に試作品を使ってもらい意見を聞いたとします。
香りは個人の好みがはっきりしていますからモニターの50%が「バラの香りが嫌い」だと回答する場合だってあるわけです。この試作品はNGでしょうか?

ここで必要になるのが「テストの目的」です。

開発テーマは「バラの香りのシャンプー」でした。開発コンセプトを思い出してください。
どのようなターゲットユーザーにバラの香りのシャンプーを届けたかったのか、バラの香りのシャンプーでどのような価値を感じてもらいたかったのか、企画段階でじっくり検討したはずです。
モニターテストは、常に企画時に設定した「開発コンセプト」に照らし合わせてテストの方法を設計しなければ有効な結果は得られません。

企画時に設定した「開発コンセプト」が、「30代独身の働く女性に、至福のバスタイムでリラックスしてもらうための高貴なバラの香りを楽しめるシャンプー」だったとします。
この時点でバラの香りの嫌いな女性はターゲットには含まれない(バラの香りの嫌いな人がバラの香りをアピールした商品を購入することはない)ため、モニターの対象者は「28~42歳でバラの香りを好む有職女性」というふうに設定します。
このようにテストを設計すると、香りの強さは適当か、香りの種類はこれでよいか、この商品を使ってリラクゼーションや贅沢な時間を過ごせたかなど知りたい結果が得られるわけです。

ストの詳細設計

テストの目的を明確にした上で、テストの詳細設計をしていきます。
ここではバラの香りのシャンプーを例に設計してみましょう。
最も一般的なのが実際に自宅で使ってもらって感想をアンケート用紙などに記入してもらう「ホームユーステスト」です。

モニターの選定

バラの香りの化粧品を購入したことがある28~42歳の有職女性

テスト方法

自宅で洗髪する際に試作品を使用してもらう。コンディショナー等は通常のものを自由に使用してもらう。

アンケート用紙の設問

使用前の設問

①氏名(テスト後個別に確認したい事柄があった場合に必要)

②年齢

③普段使用しているシャンプーの商品名

試作品を使用しての設問

①香りの強さ(強すぎる/やや強い/ちょうどよい/やや弱い/弱すぎる)

②香りの好み(とても好き/どちらかというと好き/普通/どちらかというと嫌い/とても嫌い)・・・何故そのように感じましたか?(自由記述も設ける)

③商品を使用してリラックス感は?(とてもよかった/よかった/どちらともいえない/よくなかった/全然よくなかった)

④商品を使用して贅沢な時間をすごせたか?(とてもよかった/よかった/どちらともいえない/よくなかった/全然よくなかった)

⑤使用中の泡立ちは?

⑥使用中の泡切れは?

⑦使用中の指どおりは?

⑧ドライヤー後の仕上がり感は?

⑨肌トラブルの有無

ニターの募集と結果集計

モニター募集で最も実際的で経費も少なくて済むのは、やはり自社の社員やその家族に協力してもらう方法です。
結果の集計も自社で行うことができ、社員数にもよりますが30~50名程度であれば可能でしょう。
またテスト自体を設計から実施、モニター募集、集計・考察まで一連で行ってくれる専門の会社もあります。

意事項

例え社員であっても、モニター参加者には開発途中の試作品であるため、テスト中に肌トラブルなどが起きた場合はすぐテストを中止し連絡する、テストの内容を他人に漏らさないなど注意を促す必要があります。
アンケート用紙にはテストの責任者と連絡先を必ず記載しておきます。

果の考察

モニターテストの結果が良い評価であれば、試作品で処方決定とできるでしょう。
良くない結果が出れば、通常は可能な限り試作品の修正を行います。
また、ここでのテストで「肌トラブルの有無」はかならず設問に入れたいところです。